$\gdef \vec#1{\boldsymbol{#1}} \\ \gdef \rank {\mathrm{rank}} \\ \gdef \det {\mathrm{det}} \\ \gdef \Bern {\mathrm{Bern}} \\ \gdef \Bin {\mathrm{Bin}} \\ \gdef \Mn {\mathrm{Mn}} \\ \gdef \Cov {\mathrm{Cov}} \\ \gdef \Po {\mathrm{Po}} \\ \gdef \HG {\mathrm{HG}} \\ \gdef \Geo {\mathrm{Geo}}\\ \gdef \N {\mathrm{N}} \\ \gdef \LN {\mathrm{LN}} \\ \gdef \U {\mathrm{U}} \\ \gdef \t {\mathrm{t}} \\ \gdef \F {\mathrm{F}} \\ \gdef \Exp {\mathrm{Exp}} \\ \gdef \Ga {\mathrm{Ga}} \\ \gdef \Be {\mathrm{Be}} \\ \gdef \NB {\mathrm{NB}}$
(説明すべき内容)
「確率変数列$\{ X_n \}$がある確率変数$X$に確率収束する」とは、
$$\begin{aligned} \lim_{n \to \infty} Pr\{ | X_n – X | \gt \varepsilon \} = 0 ~~ (\forall \varepsilon \gt 0) ~~~~~ \mathrm{(A)} \end{aligned}$$ が成立することです。
<極限定理>のすたどくコメントで、上記は『$n$が十分大きい状況では、任意の正の実数$\varepsilon$に対して$X_n$と$X$の差分はそれより(ほぼ)必ず小さくなる』こととしましたが、『ほぼ』とした理由について以下説明します。
(説明)
$\mathrm{(A)}$と正確に同値となるのは、
すべての正の実数$\delta$に対してある自然数$N$が存在し、
$$\begin{aligned} Pr\{ | X_n – X | \gt \varepsilon \} \leqq \delta ~~ ({\small if} ~n \geqq N) \end{aligned}$$が成立することです。
つまり任意の正の実数$\varepsilon$に対して、どんなに小さな$\delta$をとったとしても$n$を十分大きくとれば、$X_n$と$X$の差分が$\varepsilon$より大きくなる確率を$\delta$以下に抑えることができるということです。
逆に言うなれば、$X_n$と$X$の差分が$\varepsilon$より大きくなる確率は$0$そのものである必要はなく、そのために『ほぼ』という表現を用いました。